野菜を生育中に、周囲に雑草が生えますが中には野菜の生育を助けたり、連作障害や病害虫を予防してくれる効果があるものがあります。今回は、庭や畑などに生えてくる雑草で抜かずに残しておいた方が良いものについて紹介します。
ちなみにこのような、草と一緒に野菜を育てる方法を草生栽培といいます。
〔今回紹介する雑草〕
アカザ、オオバコ、カタバミ、シロツメグサ、スズメノテッポウ、スベリヒユ、ナズナ、ハコベ、ホトケノザ、ヨモギ
野菜の生育を助ける雑草
アカザ・シロザ
アカザは、アカザ科の一年草です。春から秋にかけて育ちます。若葉の付け根が赤くなっているのが特徴です。
地表面に広がるので地表面を保湿するカバープランツとして役立ちます。背が高く伸びるので、野菜が日陰になるようなら根元付近で刈り取ると良いです。
シロザもアカザと同じアカザ科で同じように使えます。
コマツナ、ジャガイモ、ニラ
オオバコ

オオバコ
オオバコは、オオバコ科の多年草です。うどんこ病になりやすく、それによりうどんこ病の寄生菌(アンペロマイセス)を増やすことができます。
アンペロマイセスは、うどんこ病に寄生して死滅させてくれます。寄生菌が増えると、周囲の野菜がうどんこ病になりにくくなります。
カタバミ

カタバミ
カタバミは、カタバミ科の多年草です。ぱっと見はクローバーと似ていますが、よく見るとハート型の葉の形をしています。
カタバミは、ハダニが付きやすくそれによりハダニを捕食するテントウムシ、クサカゲロウ、ヒメハナカメムシ、ハダニアザミウマなどの益虫を畑に呼び込む効果があります。テントウムシやクサカゲロウは、アブラムシも捕食するので非常に役立つ益虫です。
シロツメクサ(白クローバー)

シロツメグサ
シロツメクサは、マメ科の多年草です。
根粒菌の働きで土壌を肥沃にする働きがあります。また、うどんこ病が発生しやすいので寄生菌を増やして他の野菜のうどんこ病を防いでくれます。
うどんこ病が発生しやすい、ウリ科に役立つ雑草です。
スズメノテッポウ

スズメノテッポウ
スズメノテッポウは、イネ科の越年草です。田などの酸性の土壌に生えやすい雑草です。秋頃から生え始めて、初夏に開花します。
メロン、カボチャ、ウリなどの周囲に生えれば、敷き藁の代わりになります。また、うどんこ病の寄生菌を増やしたり、益虫を呼び込む効果があります。
秋頃に発芽して、冬を越えて春に開花・結実・枯死する植物のこと
スベリヒユ

スベリヒユ
スベリヒユは、スベリヒユ科の一年草です。乾燥に強く、畑の通路やあぜ道などに生えてきます。
地表を覆って、保湿したり、根が深くまで伸ばして水分や空気の通りを良くしてくれます。スイカ、トウモロコシ、ミズナなどの野菜と相性が良いです。
ちなみに、スベリヒユは食べることができてお浸しにするとおいしいです。
ナズナ

ナズナ
ナズナは、アブラナ科の越年草です。弱酸性で肥沃な土壌に生えてきます。
根圏微生物の働きで、有機物の分解が促進されます。
ハコベ

ハコベ
ハコベは、ナデシコ科の越年草です。地表に広がって、土壌を保湿してくれる働きがあります。また、益虫も増えるので害虫被害も減少します。
キャベツ、ダイコン、ブロッコリー、チンゲンサイなどのアブラナ科の野菜と相性が良いです。
ホトケノザ

ホトケノザ
ホトケノザは、シソ科の越年草です。葉の形が、仏様の台座の形に似ていることからこの名前がつけられたそうです。ピンク~紫色の花が咲き、花を摘み取って吸うと甘い蜜の味がします。
ちなみに春の七草のホトケノザとは異なるので注意しましょう。キャベツなどの越冬野菜と相性が良く、キャベツを寒風から守ったり、土壌を保温する効果があります。また、ホトケノザはうどんこ病になることがありますが。それによりうどんこ病の寄生菌を増やすし他の野菜のうどんこ病を防いでくれます。
ヨモギ

ヨモギ
ヨモギは、キク科の多年草です。ヨモギには、シネオールとい成分が含まれます。これは、害虫の忌避効果があり殺虫剤などにも使われています。
アブラムシ、ハダニ、スリップスなどは、ヨモギに集まってくることがありますが、それによりそれらの天敵である益虫を畑に集めることができます。
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