キャベツは、アブラナ科の葉野菜です。通年まき野菜で、一年中育てることができます。しかし冷涼な気候を好み暑さに弱いので、真夏の栽培は避けたほうが楽です。
栽培する時期は、春に植えて初夏に収穫するか、秋に植えて晩秋から冬に収穫すると良いです。秋植えの方が、害虫被害は少ないです。
今回は、苗づくりから初めて、畑に移植して栽培する方法を紹介します。
種まき・苗づくり
一般的にキャベツの栽培は、畑に種を直撒きすることはありません。(苗の生育期間が長い為、防虫や草抜きなどの手間が大きい為です。)
ポットで苗を育てるか、畑の空き場所に苗床を作ってから移植します。
今回は、種まきから収穫までの一連の作業を紹介します。
種まきの時期
春植えの場合は11月頃、秋・冬植えの場合は7月以降より種まきをします。品種や地域によっても時期が違うので、説明書をよく読みましょう。

種の袋
種植えから、植え付け苗になるまで4~5週間程度かかります。
種まきの方法
ポットで苗を作る場合
ポットに種植えする場合は、直径7~9cm程度のポットを用意します。培養土を入れて、事前に水をかけて湿らせておきます。
指で植穴を2~3個作って、その中に種を1粒づつ入れて埋め戻します。しっかり水やりをして、発芽するまでは毎日水やりします。発芽率は高めです。

穴を作る
本葉が出てきたら、1本に間引きします。

間引き
また、苗の時期から蝶や蛾の幼虫が付きますので虫よけネットをかぶせておくと安心です。

虫よけネットをかける
畑のすみ(苗床)で苗を育てる場合
植え付けの2週間前に、苦土石灰100g/㎡を撒いてよく耕します。植え付けの1週間以上前に、堆肥1kg/㎡、化成肥料100g/㎡を撒いて良く耕します。
畝幅60cm、畝高10cmをつくります。畝の表面に、5~6cmの間隔で撒きすじを作って種を撒きます。
キャベツの種は、好光性種子なので光が届くように0.5cmの深さで覆土します。
夏まきは、乾燥や雨などから苗を守るために寒冷紗をします。秋まきは、寒さや霜から守るためにビニールトンネルをかけます。
寒冷紗は、虫よけの効果もあります。
本葉が、5~7枚になったら苗を採ります。
苗を抜く前に水まきをして土を柔らかくしておきます。苗は、ゆっくりと抜きとります。
この時に、根が切れることがありますが、キャベツの根は、再生力が強いのでそれほど気にしなくて大丈夫です。
苗の植え付け
土づくり
※キャベツをジャガイモの近くに植えるとジャガイモの生育が悪くなります。ジャガイモから離れた場所を選びます。
植え付けの2週間以上前に、苦土石灰120g/㎡を撒き良く耕します。酸性土壌では根こぶ病になりやすくなります。
元肥として、堆肥2kg/㎡、化成肥料は、春植えの場合は100g/㎡、秋植えの場合は、200g/㎡撒いて良く耕します。
暖かい時期は、肥料が少なくても良く育ちますので少なめでいいです。
畝幅40cm、畝高20cm、株間35cm程度で一条植えします。

キャベツ植え付けの畝
キャベツの植え付け
地植えの場合
夏まきでは、本葉が5~6枚、秋・春まきでは本葉7~8枚で植え付け時期です。

キャベツのポット苗
畝に、ポットの根鉢と同サイズの穴を掘ります。
植穴にネビジンなど(土壌殺菌剤)を撒いて土と混ぜ合わせます。
※特に、秋・冬収穫の場合は、根こぶ病が発生しやすい。
殺菌剤を撒いた場所に、植穴を掘って苗を植え付けます。ポット苗の場合は、根鉢を崩さないように植え付けます。

ポット苗の植え付け
苗は、浅めに植え付けてしっかりと株元を押さえつけて安定させます。
(湿気に弱いので、深植えしない。)

キャベツの苗植え付け
株元にしっかりと水やりをします。
キャベツに寒冷紗をかける
夏の強い日差しによる乾燥や、冬の霜対策などにも寒冷紗は、かならず必要です。
半円型の支柱を設置して、その上から寒冷紗をかけます。寒冷紗以外にも、不繊布、虫よけネットなども使えます。

キャベツに虫よけネット
ネットをしていれば青虫の被害は防げます。ただし、キャベツの品種によってはダンゴムシに狙われるものがあります。
ダンゴムシは、土の中から現れるので、ネットで防ぐことができません。これの対策については現在検討中です。
植え付け後の管理
追肥
苗が根づいて葉が展開し始めたら、追肥をします。だいたい植え付けから、3週間後くらいです。

追肥時期
畝の両端に化成肥料50g/㎡をばらまき土と混ぜて株元に土寄せします。
キャベツの収穫
玉が肥大して、手で押して硬くなっていたら収穫時期です。玉の外葉を広げて茎に包丁を刺して切り取ります。

キャベツの収穫時期
収穫したキャベツの保存期間は、冷蔵庫保存で1週間。芯をくりぬき、くりぬいた穴に濡らしたキッチンペーパーを詰めて冷蔵保存すると、2週間ほど持ちます。
家庭で、消費する場合は植え付け時期をづらして栽培すると良いでしょう。
最後に
葉野菜は、成長が早く栽培期間が短いので非常に育てやすいです。青虫による食害さえ防げれば、簡単に栽培できます。
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