C/N比とは
有機物を畑に投入するときは、『C/ N比』に注意が必要です。
C/N比というのは、C(炭素)とN(窒素)の割合で、C÷Nで求められます。『C/N比が大きいほど炭素成分が多い、C/N比が小さいと窒素成分が多い』ということを表します。
C/N比による使い分け
C/N比が大きいか、小さいかはC/N比20くらいで区切られます。
C/N比が、20以下では炭素成分が少なく窒素成分が多いと言えます。「鶏糞、牛糞堆肥、米ぬか、刈草」などが該当します。
C/N比が小さいものは、植え付け直前の肥料として適しています。有機物の量は少なめなので土壌改良効果は少ないです。
対して、C/N比が20以上では、窒素成分に対して炭素成分が多いことを表します。炭素が多いということは有機物を多く含むことを表します。したがって、C/N比が大きいものは、高い土壌改良効果を期待することができます。
ただし注意点があります。
有機物(炭素)が土の中で分解される過程では窒素が使われます。その為、野菜を植え付ける直前にC/N比が大きな有機物を投入すると窒素不足(窒素飢餓)や有機物の発酵熱で枯れてしまうことがあります。
植え付け2~4週間前に堆肥として畑に投入するなら、C/N比20~40くらいを目安とします。
それよりC/N比が大きな有機物は、土壌改良効果は大きいですが、窒素飢餓の恐れがあります。休作期間や植え付けの数か月前など、余裕をもって投入すると良いでしょう。
主な有機物のC/N比
家庭菜園や農業で使われる堆肥などの有機物のC/ N比をいかにまとめました。
- 鶏糞堆肥・・8
- 豚、牛、馬糞堆肥・・10~20
- ヘアリーベッチ、クローバー、大豆・・10~20
- バーク堆肥・・
- 米ぬか・・18
- 刈り草・・20
- キャベツ・・23
- バーク堆肥・・30
- とうもろこし、ソルガム、ヒマワリ・・30~
- エンバク・・15~40
- ソルゴー・・35~40
- 腐葉土、バーク堆肥・・30~50
- 籾殻(もみがら)・・70~80
- おがくず・・100~
- 木質チップ・・100~1000
まとめ
窒素は、植物の3代栄養素の1つです。主に、茎・葉の生育に必要です。ただし、窒素は多すぎても少なくても生育によくありません。窒素の供給の目安は、葉の色だといわれています。
葉の緑が濃いと窒素過剰、緑が薄くなり茎葉が小さくなると窒素不足です。緑色の、目安は、周囲に生えている雑草と同じくらいの色だとオッケーです。
<参考文献>
うちだ・たつや.2021.冬号.野菜畑.P17
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