トウモロコシのアワノメイガ対策

トウモロコシにアワノメイガの幼虫

トウモロコシを無農薬で栽培すると、ほぼ100%の確率でアワノメイガの被害を受けます。今回は、家庭菜園でのトウモロコシのアワノメイガの対処方法についていくつかの方法を紹介します。

アワノメイガとは?

アワノメイガを防ぐには、生態について知っておきましょう。

アワノメイガは、メイガ科の蛾です。サイズは、30㎜くらいで蛾の中では小さいです。主に、トウモロコシ、アワ、キビ、ショウガなどに産卵します。

孵化した幼虫は、葉・茎を食べながら茎や実の中に侵入します。茎が折れたり、実が食害されたりして全滅することもあります。

茎の中で幼虫は蛹になり、6月頃より成虫となり飛来します。したがって、アワノメイガがもっとも多くなるのは、6~7月にかけてです。

トウモロコシのアワノメイガ予防法

トウモロコシのアワノメイガ予防法を、紹介します。まずは、確実な農薬について、そして農薬を使いたくない人の為に、コンパニオンプランツや工夫した栽培方法を紹介します。

殺菌剤を撒く

もっとも確実な、アワノメイガ対策は殺菌剤や農薬を散布することです。トウモロコシで使える薬剤は、『BT剤、NAC、アグロスリン乳剤、トレボン乳剤』などがあります。

※ 農薬を使う場合は、安全のために『使用回数、使用濃度』や『収穫の何日前まで使えるか』などが定められています。しっかりと説明書を確認して使いましょう。

  • BT剤
    BT剤は、天敵微生物を使った殺菌法です。主に、毛虫や蝶の幼虫に効果があります。BT剤は、安全性が高く有機栽培などにも使えます。
    (商品名:エスマルクDF、ゼンターリなど)

  • NAC
    家庭菜園でもよく使われている殺虫剤です。効果が比較的長く、アワノメイガ対策には効果的です。収穫の14日前まで使えます。
    (商品名:デナポンなど)

  • トレボン乳剤
    毛虫や蝶の幼虫に効果のある農薬です。人や動物には毒性が低いので、家庭菜園でオススメです。収穫7日前まで使えます。

  • アグロスリン乳剤
    殺虫剤です。接触毒性があり、毛虫・カメムシ・アブラムシなど多くの害虫に効果があります。劇物に指定されており、周辺に飛散する恐れがあるので家庭菜園ではあまりおススメしません。トウモロコシの場合は、収穫の7日前まで使えます。

ちなみに農薬の散布のタイミングについてですが、アワノメイガは雄穂から出る花粉の匂いで寄ってくるので、『雄穂が出始める頃と、雄穂が出そろった頃』に散布すると効果的です。

商品リンクは、家庭菜園用の少量のものを搭載しています。植え付け量が多く、大量に必要な場合は容量の多いものを購入するとコスパが良いです。

雄穂を刈り取る①

家庭菜園でメジャーな方法です。アワノメイガは、雄穂の花粉に引き寄せられる習性があります。そこで、雄穂が生えてきたら刈り取ります。

ただし、全ての雄穂を刈り取ると受粉できなくなるので5本に1本くらいは残してやります。また、受粉が終わったら残りの雄穂も刈り取ります。

授粉用のトウモロコシを別ヵ所で育てる

雄穂をかりとるもう一つの方法です。それは、収穫するためのトウモロコシと別に、受粉用の雄穂を残すトウモロコシを離れた場所で栽培するという方法です。(場所がなければ10号くらいの植木鉢などで育てます。)

収穫用のトウモロコシは、雄穂が出てきたらすべて刈り取ります。そして、離れた場所で栽培しているトウモロコシは雄穂を成長させます。花粉が出てきたら、それを切って、収穫用のトウモロコシに花粉を振りかけてやります。

雄穂1本あれば10本分は受粉させられます。花粉を実のひげ根に向かって振りかけます・

コンパニオンプランツを利用する

コンパニオンプランツは、他の植物と混植することで害虫被害を減らしたり、お互いの生育を促進させる方法です。

トウモロコシのアワノメイガ予防としては、『アサガオ、蔓ありインゲン』を株元や周辺に植え付けると効果があるようです。アサガオの方が生育が遅いのでアサガオを10日くらい早めに種まきします。

関連記事:トウモロコシのコンパニオンプランツ

抑制栽培

抑制栽培とは、種まきの時期を遅らせる方法です。7月下旬~8月頃に種を蒔くと、10月頃より収穫できます。アワノメイガの発生のピークを抑えて栽培できます。抑制栽培は、遅まきができる品種を選ぶことも大切です。

防虫ネットで覆う

防虫ネットは、アワノメイガを確実に防げる方法です。ただし、トウモロコシは、背丈が2m近くまで高くなるのでアーチ形の支柱を用意すると資材のコストが高くなります。

そこで、直線型の園芸支柱にネットサポートアタッチメントをつけて、その上から防虫ネットをかければ安く済ますことができます。ネットサポートアタッチメントの代わりとして空のペットボトルでも使えそうです。

防虫ネットは、幅2mくらいまでのものが安いので、それを何枚かを重ねてつなげると良いです。つなげるには洗濯ばさみとかでも大丈夫です。

大きめの網はでしたら、防鳥蝶ネットというものがあります。ちなみに普通の鳥ネットは網目が大きすぎるので使えません。

果実や先端を排水ネットで覆う

比較的簡単なお方法です。

受粉が終わったら、排水ネットで雄穂や果実の部分を排水ネットで覆います。網目は小さいものが良いです。

花粉を飛散させないことで、アワノメイガが寄りにくくなります。また、茎にアワノメイガが付いたとしても果実だけは守れる可能性が上がります。

まとめ

防虫ネットや農薬以外の方法は、絶対的な対策ではありません。複数の方法を並行して行うとより効果があります。