トウモロコシの育て方

トウモロコシ

トウモロコシは、アメリカ大陸原産でイネ科の野菜です。温暖で日当たりが良く、水はけの良い土での栽培に適しています。

収穫後に、時間単位で甘みが低下するので家庭菜園で育てればトウモロコシ本来の美味しさを味わうことができます。

苗づくり

種まき

種まきは、4月頃から行います。

畑に直播きするか、ポットに種蒔きして栽培します。直撒きする場合は、4月下旬の温かくなったころから始めます。あまり急いで種まきしても、ある程度温かくならないと苗は育ちません。

ポットで種まきする場合は3号ポットに種蒔き用の培養土を入れて事前に土を湿らせておきます。土の表面に、指で穴を数カ所開けて種を2個入れて1cmくらいの深さに植えます。発芽温度は、25〜30℃くらいです。発芽するまでは、温かい場所で管理します。

発芽したら、午前中は日当たりの良い場所で管理します。

トウモロコシの発芽した画像

トウモロコシの発芽

土が乾燥していたら、午前中に水やりをします。日照不足や水のやりすぎは徒長の原因となるので注意します。

本葉が3枚くらいになったら、最も生育の良いものを残して1本に間引きします。

土づくり

トウモロコシは、連作障害がありません。日当たりが良く、水はけのよい場所が生育に向きます。また、近くに別品種のトウモロコシを植えると交雑するので注意しましょう。

  • 植え付けの1〜2週間前に、1㎡当たり苦土石灰100gを撒いて良く耕します。
  • 植え付けの1週間前に堆肥2kg/kg、配合肥料200g/㎡を撒いてよく耕します。
  • 畝幅60cm、畝高10cmの畝を作ります。(2条植えの場合)

余裕があれば、マルチをしておきましょう。地温が上がり初期生育が良くなります。

植え付け

ポット苗の背丈が15cmくらい(本葉3~4枚)になったら、植え付けます。畝にポットの根鉢と同じくらいの穴を掘って植え付けます。直蒔きする場合は、2粒くらいづつ撒いて本葉が出てくる頃に1本に間引きします。

株間30cm、条間30〜40cmで2条植えします。

トウモロコシの植え付け画像

トウモロコシの植え付け

トウモロコシは、花粉が風にのって移動するので2条植えすると受粉しやすくなります。

幼苗の頃は、芽を鳥につつかれて折れてしまうことがあるので、不繊布や寒冷紗をべた掛けしておくと安心です。

植え付け後の管理

追肥と土寄せ

雄花の穂が見えてきたら、追肥と土寄せを行います。マルチをしていた場合は、カッターなどで切って取り除きます。

トウモロコシ穂の画像

トウモロコシの雄花の穂

畝の両端に、肥料を撒いて土に混ぜながら土寄せします。追肥は1㎡当たり化成肥料50g/㎡施します。

トウモロコシの追肥画像

追肥と土寄せ

カラス対策

トウモロコシの実が、10~15㎝くらいに育ったらカラス対策をします。これをしていないと、あっという間に荒らされてしまいます。

カラスに荒らされたトウモロコシ

カラスによる食害

数が多い場合は、市販のカラス除け道具を使うと楽です。『カラスなぜ逃げる』も非常に効果的です。

その他、テグスを株の周囲に張り巡らせるのもカラス予防に効果的です。テグスが羽に引っかかるのを恐れて近寄ってこなくなります。

支柱を立てて、株の周りを囲い込むとカラスは来なくなりました。

防鳥糸の画像

防鳥糸

防鳥糸の画像

防鳥糸

除房

トウモロコシは、1本の株に2~3個の実が付きます。一番上の実以外は綺麗に育たたないのである程度の大きさになったら下の実は除房します。

目安としては、雌花に絹糸が出てくる頃です。むしり取るときに、茎を傷めないように注意しましょう。

トウモロコシの除房

トウモロコシの除房

除房したトウモロコシは、ヤングコーンとして食べることができます。塩ゆでしてサラダなどで食べるとおいしいです。

ヤングコーンの画像

ヤングコーン

トウモロコシの受粉

受粉は、風により自然に行われます。雄花が開いたら、そこから花粉が飛びます。受粉が成功すると、トウモロコシの実から伸びるひげ根が茶色っぽくなり、ねっとりとします。

受粉後のトウモロコシの実

受粉後のトウモロコシ

害虫対策

トウモロコシの最大の天敵はアワノメイガの幼虫です。アワノメイガの幼虫は、茎・葉・実のいたる部分を食い荒らし、台無しにしてしまいます。

トウモロコシにアワノメイガの幼虫

アワノメイガの幼虫

トウモロコシの雄花の穂から出る花粉に引き寄せられてやってくるので、特に雄花の穂がでてきたらころから注意が必要です。

最も確実なのは、雄花の穂が伸び始めたころに殺虫剤(三明デナポン粒剤5 200g)を散布することです。

無農薬で栽培したい場合は以下の方法があります。

  1. トウモロコシの株全体をネットで覆う。(もっとも確実だが手間とコストが大きい)
  2. 5本に1本くらいのみ雄花を残しておき、その他は雄花を刈り取る。そして、受粉後は残りの雄花も刈り取る。
  3. 果実のみをネットで覆う。(実から直接侵入するのを防ぐ)
  4. 雄花に穂が出てきたら摘み取る。受粉用のトウモロコシを別の場所で育てて、その花粉を使って人工授粉をする。(確実な方法)
  5. バンカープランツとして、トウモロコシの近くにアサガオを育てる。それにより、アワノメイガはアサガオに引き寄せられて被害が減少する。

トウモロコシの収穫

甘くて美味しいトウモロコシを収穫するには、収穫時期が重要です。早いと実が詰まっておらず、遅いと乾燥してしぼんでしまいます。

収穫の目安としては、ひげ根がこげ茶色になり、外側から触ると実が固くなります。

先端を少しむいて粒が大きくなり揃っていることを確認すれば確実です。実がまだ育っていなかったら、そのまま皮を戻します。

収穫は、トウモロコシの先端を持って、根本をおるようにもぎ取ります。生のままでおいておくと、呼吸により糖分を消費します。収穫後は、できるだけ早く加熱調理します。

トウモロコシの実

トウモロコシ

また、収穫後の茎葉は敷き藁の代わりなどに利用したり、畑の中に混ぜ込んで堆肥として使えます。畑にすき込むとセンチュウを減らす効果もあるそうです。