キュウリの脇芽を挿し木で育てる方法

きゅうり挿し木画像

「キュウリの挿し木は、難しい?」という意見もありますが、手順さえ守れば90%以上の確立で成功します。挿し木をすることにより、種まきから育てるより早く育てることが可能です。
今回は、キュウリの挿し木の方法と、実際に挿し木をした経過を写真と共に紹介します。

挿し木の方法

キュウリの挿し木は、主枝の先端(生長点)と脇芽を摘芯したものを使います。

キュウリ生長点をカット

きゅうりの生長点をカット

インターネットなどの情報では、主枝の先端を切ったものを使うという情報が多いですが、どちらでも可能です。

今回は、脇芽から伸びた枝を切ったもの(A,B)と枝の先端(生長点)を切ったもの(C,D)の合計4本を育てます。

キュウリの挿し木苗

キュウリの挿し木のポット

 

挿し木は、2m程まで成長した株から採取しました。品種は、風神。種から栽培したものです。この株の主枝の先端を10~15cm程で切ったものと、脇芽を切ったものをポットに挿して育てます。

土は、スイカを栽培していた畑の土を使いました。水はけがよい砂のような土なので、本来は挿し木には向いていません。水持ちの良い種まき用の培養土などがいいでしょう。

ポットに、畑の土を入れて十分に水を入れて湿らせて置きます。その中に、挿し木します。挿し木した苗は、水を吸収する能力が低下しているので干からびないように日陰で管理します。7/25と真夏日から開始したので条件は非常に悪いです。

キュウリ挿し木の記録

〔7/25 挿し木スタート 23~32℃〕

7/25より、ポットでのキュウリの挿し木栽培を開始しました。

A、Bが脇芽から採った枝です。C、Dは生長点を摘芯した枝です。

キュウリの挿し木苗

キュウリの挿し木のポット(1日目)

挿し木直後は、葉・茎はしっかりしています。これらの苗は、日陰に移動して管理します。

〔7/26〕

ポット挿し木の画像

きゅうり挿し木(2日目)

挿し木開始の翌日には、葉・茎がしおれています。キュウリの葉は、大きいので蒸散量が多く萎れやすいです。

〔7/28〕

脇芽

キュウリ挿し木の画像

キュウリ挿し木-脇芽(4日目)

先端

キュウリの挿し木画像

キュウリの挿し木ー先端(4日目)

萎れたまま、特に変わった様子があります。

〔7/31〕

きゅうり挿し木の画像

キュウリの挿し木(7日目)

更に、葉がしおれてきました。特に、A,C,Dはほとんどの葉が茶色くなっています。

脇芽

キュウリ挿し木の画像

キュウリ挿し木(脇芽)

先端

キュウリ挿し木の画像

きゅうり挿し木(先端)

植え付け時に、あった葉は全て枯れてしまいました。しかし、よく見ると新しい小さな葉が成長しています。

成長があったということは、根が発生した証拠です。今後は、成長していくでしょう。

〔8/8〕

脇芽

キュウリの挿し木画像

キュウリ挿し木

キュウリ挿し木画像

キュウリ挿し木

Bは成長していますが、Aの葉がさらに枯れています。

と思いきや、よく見ると茎の先端から新しい芽が発生しています。植物の生命力には驚かされます。

先端

キュウリ挿し木画像

キュウリ挿し木

コチラは、順調に生育しています。キュウリの花の蕾ができていますが、茎葉の成長を促進させるために摘み取ります。

〔8/10〕

脇芽

キュウリ挿し木の画像

きゅうり挿し木

ある朝、確認すると挿し木(A)の茎が黄色く変色しています。前日の日中の気温が高いときに水やりをしてしまったのが原因だと思われる。

この後、(A)は枯れてしまいました。アーメン

先端

キュウリ挿し木画像

きゅうり挿し木

こちらは、順調に生育している。

〔8/17〕

脇芽

キュウリ挿し木

きゅうり挿し木

先端

きゅうり挿し木

きゅうり挿し木

〔8/23 植え替え〕

脇芽(B)

きゅうり挿し木画像

きゅうり挿し木

キュウリ挿し木

きゅうり挿し木-根の状態

根は、まだ十分に発達していない。本葉5枚くらいになるまでは待たなければならない。

キュウリ挿し木の植え付け画像

キュウリ挿し木の植え付け

培養土入りの袋(20L)にそのまま植え付けました。

先端

きゅうり挿し木画像

きゅうり挿し木

Cは、本葉4枚、Dは本葉3枚ほど
きゅうり挿し木

きゅうり挿し木

きゅうり挿し木

〔9/9〕

植え替えから、約2週間が経過しました。それぞれの様子を、見てみましょう。

キュウリ挿し木の画像

キュウリの挿し木植え付け後

順調に育っているのは、Dだけです。植え替え後に、BとCは葉が丸くなるという整理障害が発生しました。

キュウリ挿し木の画像

キュウリ挿し木

Bは、葉が丸くなり葉が大きく成長しません。

キュウリ挿し木画像

茎の皮がむげて萎れかけている

Cも同様に、葉が丸くなるという生理障害が発生しました。さらに、茎の皮が剥がれて萎れてきています。蔓枯病かもしれません。

Dは、順調に育っています。

キュウリ挿し木

キュウリ挿し木

B,Cの生理障害は、はっきりとした理由は分かりません。肥料のやりすぎなどで発生するとありましたが、野菜用の専用培土をつかっているのでやりすぎではないと思います。

植え替え時に、日陰からいきなり日向に移動したのが原因かもしれません。袋栽培なので熱がこもってしまったのかもしれません。

反省点

種から育てると、本葉5枚の植え付け段階まで成長するのに、だいたい4週間ほどかかります。今回は、それよりも時間がかかりました。

生育が遅くなった原因は、植え付け直後の乾燥により一部の葉が枯れてしまったこと。

効率よく、育てるには植え付け直後に葉が枯れるのを防ぐ為に、水差しにして根が発生してからポットに植え付けるのが良いと反省しました。

また、挿し木に使用する枝も、もう少し成長したものを使えば、種まきより短い期間で育てられるのではないかと思います。

【追記】

水差しで育てて、成功しました。水差しで発根してから、土に植えると発育が遅れなくて済みますよ。

最後に、家庭菜園でキュウリを育てるとキュウリを消費しきれなくて困ることがあると思います。以下の、もろきゅうり味噌が最高においしいのでお勧めです。