ナスを地植えで育てる方法

ナスの3本仕立て

ナスは、品種によって味や風味が全く異なります。例えば、柔らかナス。傷みやすい為、市場に出回らない為、家庭菜園でしか、食べることができません。

そういった品種を育てれば満足度も高いです。今回は、苗からナスを育てる方法を紹介します。

苗づくり

種まき

種から育てる場合は、2月下旬~3月上旬頃に種まきをします。セルトレイに培養土を入れて、5㎜の穴を作ります。穴の中に1粒づつ種を入れて軽く覆土をします。育苗器などに入れて、日中は地温28℃、夜間は20℃くらいに管理します。発芽するまでは、毎日水やりをします。

発芽したら、少し温度を下げて管理します。地温を日中は28~30℃程、夜間は18~20℃くらいで管理します。

種まきから1ヶ月くらいすると本葉3枚くらいになります。4号ポットに培養土を入れて移植します。移植するときに、元の根鉢を崩さないように丁寧に移植します。

本葉が増えるにしたがって、温度管理を低くします。本葉5枚くらいで、日中温度26~28℃、夜間温度15℃とします。このように、種から栽培するのは設備も必要で少々面倒です。温度管理などを徹底しないと徒長して貧弱な苗になってしまいます。

苗の入手

種から栽培するのには、手間がかかるので初心者の場合は苗を購入することをお勧めします。

ナスの種類を大きく分けると、中長ナス、長ナス、丸ナスの3種類があります。初心者では、収穫量が多い中長ナスが育てやすいのでお勧めです。

ナスは、低温に弱いので5月頃より苗の植え付けをします。

植え付けてから、2か月後より収穫がはじまり真夏は生育が止まり、秋になると再び収穫できるようになります。

苗を購入する場合は、本葉が4~5枚で蕾が付いたものを選びます。

ナスの苗の画像

やわらかナスの苗

ナスの植え付け

土づくり

苗の植え付けは、本葉7~8枚で蕾が出て生きたくらいが適期です。霜の心配のない5月頃より植え付けます。ちなみに、市販されている苗はポットが小さいです。本葉7~8枚まで育てる間に根詰まりしそうになったら4号ポットに移植すると良いでしょう。

連作障害があるので、植え付け場所は3~5年くらいナス科(トマト、ピーマン、ジャガイモなど)の野菜を植え付けていない場所を選びます。連作では、半身萎凋病(はんしんいちょうびょう)が発生しやすくなります。これは、葉の周りが茶色く枯れて、縮れてきます。

それが難しい場合は、接ぎ木苗を選んだりコンパニオンプランツとしてそばにネギを植え付けたりすると良いです。

  • 植え付けの2週間以上前に1㎡当たり、苦土石灰100gを撒いてよく耕します。
  • 植え付けの1週間以上前に、1㎡当たり、堆肥4kg化成肥料200gを撒いてよく耕します。
  • 畝幅は、60cm、畝高10cm、株間60cm程で植え付けます。なすは、寒さに弱いので植え付け前に、マルチをしておくと良いでしょう。

植え付け

植え付け前に、ポット苗に十分に水やりをしておきます。

畝に、ポットの根鉢と同じくらいの穴をあけて株間50㎝くらいの間隔で植え付けます。

ナスの植え付け画像

ナスの植え付け

植え付け後に、支柱を立てて誘引きします。

ナスの植え付け画像

支柱に誘引

植え付け後の管理

水やり

ナスは、湿度の高いインドが原産の野菜です。したがって、乾燥には強くありません。乾燥して葉がしおれないようにしっかりと水やりをします。

乾燥予防に、敷き藁なども有効です。地植えの場合も、雨が少ない時期は時々放水してやりましょう。

追肥

植え付けから、1ヶ月頃より畝の肩に化成肥料50g/㎡を撒きはじめ、その後は3~4週間間隔で同量を撒きます。肥料切れを起こすと花の柱頭が雄しべの中に埋もれます。(通常は、柱頭は雄しべから少し飛び出ています。)

樹勢や葉の色を見て、肥料の量を調整しましょう。

ナスの仕立て方

ナスの基本的な仕立て方は、主枝及び、主枝から出る2本の芽を伸ばす「3本仕立て」です。

一番花が出たら、すぐ下のワキ芽を伸ばし一番側枝とします。二番側枝は、一番側枝より下から出るワキ芽の中で最も勢いがあるものを伸ばします。

二番側枝以下の脇芽は、全て摘み取ります。

ナスの三本仕立ての説明画像

三本仕立ての方法

側枝がある程度伸びたら、支柱を追加して誘引きします。3本の支柱をクロスさせて、クロス部分を結びます。

ナスの3本仕立て

3本仕立て

ナスの収穫

養分を株の成長に回すために、一番果と二番果は小さいうちに摘み取ります。三番果からは、収穫します。

ナスの1番果の画像

1番果は早目に摘み取る

三番果より十分な大きさに育った後に収穫します。

ナスの実の画像

ナスの収穫

放任栽培の場合は、そのまま枝を伸ばして収穫を続けます。もっとも管理が楽な方法です。その他、側枝1果どりといった果実を収穫するごとに剪定をする方法もありますが、また別の機会に紹介します。

更新剪定

真夏になると、暑さと乾燥でナスの生育が悪くなります。そこで、枝を切り戻す更新剪定を行うことで、質の良い秋ナスを収穫できるようになります。

方法は、簡単で主枝と側枝を1/3~1/2くらいになるように剪定するだけです。秋ナスの収穫に間に合わすためにも、遅くても8月上旬ぐらいまでには終わらせておきましょう。

更新剪定が遅れると、秋ナスが間に合わなくなります。

ナスの保存法

収穫後は、傷みやすいので早めに消費します。保管する場合は、ラップにくるんで冷蔵庫の野菜室にいれて1週間以内に消費しましょう。

害虫・病気

うどん粉病

頻度の多い病気としては、うどん粉病があります。葉にカビのような白い粉が吹いてきます。軽い場合は、水で洗い流した後に、お酢スプレーなどをすれば治癒します。

症状が日同様でしたら葉を切ると良いです。

テントウムシダマシ

害虫として被害が大きいのがテントウムシダマシです。これは、テントウムシによく似た害虫でテントウムシと比べると表面に毛が生えていてざらざらします。

テントウムシダマシ

テントウムシダマシ

テントウムシは、アブラムシを食べてくれる益虫ですがテントウムシダマシはものすごい勢いで葉や実を食べます。ほったらかしにしておくとあっという間に葉がなくなるので、捕獲します。

テントウムシダマシによるナスの葉の食害

テントウムシダマシによる食害

捕獲道具は、ペットボトルで作れます。

害虫捕獲道具の作り方

害虫捕獲器

参照:テントウムシダマシ、カメムシ捕獲器の作り方

ハモグリバエ

葉の中に産み付けられた幼虫が葉の中をかじりながら進行するので白い線が見えます。テントウムシダマシ程の被害にはならないので少々ならほったらかしにしておいても大丈夫です。

ナスの葉にハモグリバエの食害画像

ナスの葉ーハモグリバエ








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