庭に畑を作る手順

家庭菜園では、プランターや植木鉢で野菜を育てる方法の他に、直接地面に野菜を植え付ける地植えの方法があります。

地植えのメリットは、根っこを大きく張ることができるので野菜が大きく育ち収穫量が多くなります。また、地中から水分を得ることができるのでほとんど水やりが不要になります。

今回は、庭に地植えで野菜を育てる手順を紹介します。家庭の庭から、野菜を育てる畑に変えるには少々手間がかかりますが一度作ってしまえば、あとはそれほど労力がかかりません。

畑を作る場所

庭に畑を作る場合、一番大切なのは野菜を植え付ける場所を決めることです。

一般的な野菜は陽性植物といって、一日に6時間以上の日光が必要です。一日中日当たりの良い家の南側に、東西の向きに畝を作るのが一般的です。庭の隅っこに作ると他の作業の邪魔にならないです。

庭に畑を作る場所

南側に庭がない場合は、日光が少なくても育つ作物(半陰性植物)や日陰で育つ作物(陰性植物)を育てるといいでしょう。

  • 陽性植物
    トマト、なす、ピーマン、オクラ、スイカ、メロン、カボチャ、カボチャ、キュウリ、エンドウ、など
  • 半陰性植物
    イチゴ、ほうれんそう、こまつな、カブ、わさび、レタス、しゅんぎく、パセリ、じゃがいも、さといも、しょうが、アスパラガス、ハーブ類(ミント、バジル)、ネギ
  • 陰性植物
    みつば、せり、クレソン、しそ、みょうが、ふき、にら、もやし、かいわれ、らっきょう

畑の大きさを決める

始めて庭を耕す場合、最初から大きな畑を作ろうとすると労力とコストがかかります。まずは、1~5㎡以内の大きさで作ってみると良いでしょう。

地植え作物を育てると一つの苗からたくさんの実を収穫できます。まずは小さなスペースから始めると良いです。小さなスペースでも、混植をすれば収穫量を上げることができます。

地面を掘るか土を盛るのか

庭に畑を作る場合、深さ20~30cm程度まで耕す必要があります。その場合、直接地面を掘って耕す方法と、花壇のようにブロック(波板、木の板など)で囲んでその中に土を入れる方法があります。

ブロックを使って花壇を作る画像

ブロックで囲った花壇

地面の硬さや土の状態にもよりますが、地面を直接掘って耕すのはかなりの労力・時間がかかります。一般的な家庭の庭であれば、花壇を作ることをお勧めします。

ちなみに、ブロックで作るのがコストが安いです。ホームセンターで、コンクリートブロックは1つ100円程です。

ただし、ブロックは運搬が大変なので『うねさく君』『畦波』など市販の囲いを使うと楽です。

参考記事:畑づくりで『地面を掘るか、花壇を作るか?』

地面を直接掘って、畑にする場合はまずは土の中の石を除去しなければなりません。その為には、まずは畑にする範囲を決めて、深さ30cmまで掘り起こします。

宅地整備された土壌は、とても硬く掘り起こすのが非常に大変です。鍬やスコップでは、なかなか掘り起こすのに時間がかかりました。

庭を耕す画像

庭を耕す

最終的には、ツルハシを購入しました。鍬で掘るより10倍はスピードが上がります。ツルハシで、土を砕いてスコップで土を掘りだすという作業の繰り返しです。ホームセンターのツルハシは、6千円くらいして高いのでネットで買うと良いです。

庭を耕す画像

ツルハシを使ってスピードアップ

余りにも、石や岩が多いので掘り起こしながら熊手を使って石を集めて除去します。後で、篩をする時の労力が少なくて済みます。間隔を自由に調整できる金属製の熊手が便利です。

熊手で石を集める画像

熊手で石を集める

 

穴を掘るという作業は、本当に重労働であり途中でショベルカーを購入しようかと考えたくらいです。

掘り起こした後は、篩を使って小石を除去します。篩(ふるい)は、農作業用の大きめのものを使うと効率よく作業できます。安いものでは3000円くらいで販売されています。

篩用の台は、5000円くらいします。

ブロックで土台を作り、塩ビのパイプを置くと代用品ができます。(ブロック1個100円、塩ビパイプ1本200円程)移動は重いですが・・・

農業用土ふるい器の画像

土篩器

最初は、小さなものを使っていましたが、農業用のものを使うと10倍は効率が上がります。篩にかけた土は、直接掘った穴に入れると良いでしょう。

掘り起こした土の画像

掘り起こした土

宅地整備された地面は、非常に硬く石が多いです。中には、直径30cm以上の岩もあります。

掘り起こした石の画像

掘り起こしたいし

最終的には、7㎡の範囲を深さ30~40cm程掘り起こしましたが、70~100時間くらいかかったかと思います。もう二度としたくないくらい疲れました。(根野菜を育てないなら20~30cm掘ったので良い)

土づくり(土壌改良)

掘り起こした穴に、篩にかけた土を戻します。石が多い地面だったため、半分以上石でした。土を戻してもぽっかりと穴が開いています。

庭の地面を掘り起こす画像

堆肥を投入したが土が足りない

本来なら、この土に堆肥を混ぜて畑の土を作っていきます。しかし、圧倒的に土が足りないので土を購入することとしました。

7㎡を20cm底上げするのに必要な土の量は

70000㎠×20cm=1400000㎤

1000㎤が1Lなので

1400Lが必要となります。この量の土をホームセンターで購入すると、安い土でも3万円くらいにはなります。また、運搬も大変です。そこで、業者より直接的に土を購入することにしました。

いろいろ調べた結果、最も安く買えるのは建材屋です。(造園屋さんは高いです)

建材屋さんは、自社で山を所有しておりホームセンターや造園業者さんなどにも土を販売しています。したがって、建材屋さんで買うと中間マージンがないので最も安く購入することができます。

ちなみに、建材屋さんではいろいろな土を販売しています。畑用の土が販売されているのであればそれを購入すると良いでしょう。

西日本では、真砂土というものが安く購入できます。真砂土というのは、岩が風化してできた砂で一般的には水はけが良いです。

(風化が進んでいないものは、真逆の性質で粘りがあり水はけが悪いです。畑用の土として使う場合は、水はけが良いほうが改良しやすいです。購入時に業者さんに確認しましょう。)

水はけの良い真砂土であれば、20~30%の堆肥や腐葉土を混ぜると畑用の土として使用できます。

真砂土の値段や品質は、地域によって異なりますが価格は、以下のようになります。

2トントラック(1.5㎥,1500L)で3000~10000円程度です。ふるい真砂土といって、石を除去したものでは価格が2倍程度になります。自宅まで、配送してもらうと配送料がかかりますのでできるだけ自宅から近い業者を選ぶと安くなります。

ちなみに、私は2トントラックでふるい真砂土を自宅まで運搬してもらい9000円でした。ホームセンターで土を購入するよりも安く、手間も楽でした。

ぽっかり空いた穴に、真砂土を直接投入してもらう。

庭の畑に真砂土を投入した画像

真砂土を投入

穴の中に直接土を投入してもらいました。これを、慣らします。

庭の畑に真砂土を投入した画像

真砂土を投入

綺麗な土ですが、砂っぽくてサラサラしています。アリ地獄のような砂質です。このままでは、水はけが良すぎて肥料・水持ちが悪すぎます。

水持ちを改善するには、『堆肥、腐葉土、パーライト』などが向いています。ホームセンターで購入する場合は、堆肥が最も安く購入することができます。

牛糞堆肥、バーク堆肥などは、最も安い製品であれば40Lで200円程度で購入できます。

 

土壌改良目的であれば、バーク堆肥が適しています。バーク堆肥は、針葉樹の樹皮を発酵させたものです。肥料分は少なく、保水性を高めることができます。

牛糞堆肥40Lを4袋、バーク堆肥40Lを6袋の径400Lの堆肥を投入しました。ホームセンターの安いバーク肥料は、大きな木片がたくさん混入していました。(根野菜を作る場合は使用しないほうが良いでしょう。)

畑に大量の堆肥を投入した画像

堆肥を大量に投入

これを良く耕します。

畑に堆肥を投入した画像

堆肥を入れて耕した後

投入直後でも、多少は土がフカフカになったように感じられます。ただし、良い土を作るにはもう少し年月が必要です。野菜を育てていく過程で様々な微生物が集まり良い土がつくられます。まだまだ、水はけが良すぎるので、それに合った野菜を栽培することとします。

スイカ・サツマイモ・トマトなどが水はけが良い土での栽培に向いています。まずは、スイカを栽培することとしました。

土づくり(phの調整)

土のphを調べる画像

phの測定

それぞれの野菜には、よく育つために適した土のphがあります。ph(ペーハー)というのは、水素イオンが含まれる濃度であり酸性の度合いを表します。(数値が小さい程、酸性が強い)

水素イオンがたくさん含まれている場合は、酸性、水素イオンが少ない場合は、アルカリ性、その中間は、中性といいます。

たいていの野菜が育ちやすい土は、弱酸性です(野菜の種類により違います)。日本の気候は、雨が多く酸性に傾いています。そこで、酸を吸着するために石灰を撒きます。石灰に含まれるCaイオンは、水素イオンを吸着して土の中の酸を減らし、アルカリ性に近づけることができます。
<野菜の土壌ph>
5~5.5
ジャガイモなど
5.5~6.0
パセリ、サトイモ、トウモロコシ、ダイコン
6~6.5
トマト、ナス、キュウリ、ニンジン、キャベツ
7
ホウレンソウ、タマネギ、ゴボウ、アスパラガス

ちなみにホームセンターなどで販売されている石灰は、『有機石灰、苦土石灰、消石灰』などがあります。苦土石灰が安全で使いやすいでしょう。

苦土石灰の画像

苦土石灰

 

  • 有機石灰
    牡蠣の殻、卵の殻を粉末状に砕いたものです。じっくりと長く効果が表れるので短期間での大幅なph調整には向きません。
  • 苦土(くど)石灰
    ドロマイトや石灰石を砕いてこなじょうにしたものです。苦土というのは酸化マグネシウムを意味します。酸化マグネシウムとカルシウムの補充ができます。
  • 消石灰
    水酸化カルシウムのことです。苦土石灰よりも効果が強いので、苦土石灰を撒く量の8割程度で同じ効果が得られます。
    強いアルカリ性であり、素手で触ると炎症を起こす危険性があります。散布時は、保護メガネ・マスク手袋の装着が必要です。

どの程度の石灰を撒く必要があるか、現在の土のph を調べましょう。測定器具は、いろいろありますが土に直接刺して測定するのがお手軽です。

砂質の土でph1上げるには、1㎡あたり苦土石灰で200g程です。

石灰を撒いた後は、土に馴染むまで2週間くらいかかります。2週間後に再びphを測定して、野菜の生育に適したphになっているか確認しましょう。

石灰の量とphの変化量は、耕す深さや土質によっても違います。石灰をどのくらい撒いたら、どの程度ph変化するのかを確認しながら行うと良いです。

まとめ

庭に畑をつくると、いつでも気の向いたときに畑に向かうことができます。土いぢりは、気分転換になりますし、なにより取れたての野菜を直ぐに食べることができるのが一番うれしいです。畑をつくるのには少々の手間がいりますが、一生の趣味になります。