野菜を収穫した後に、片付けるときに根を確認してください。根にコブのようなものができている場合は、ネコブセンチュウによる根コブ病の恐れがあります。
(アブラナ科だと、ネコブカビによる被害、マメ科だと根粒菌の働きなので問題ありません。)
ネコブセンチュウとは
ネコブセンチュウは、センチュウの一種です。根の先端から侵入して根の細胞に分泌物を注入します。注入された細胞は、異常分裂で巨大化。周囲の細胞も連鎖的に膨張します。
根がこぶ状に変形して野菜の水や栄養分の吸収を阻害します。ネコブセンチュウはさらに、巨大化した細胞から養分を吸い取り、ひどいと枯れてしまうこともあります。
肥大した成虫は産卵します。1回の産卵で、1000匹の幼虫が発生するといわれています。あっという間に畑全体に広がり、次作にも影響を与えます。
被害の多い作物
ネコブセンチュウは、「ウリ科、ナス科、マメ科、セリ科」など多くの野菜に寄生して被害を与えます。
特に、真夏に育てる野菜はたくさんの水を吸い上げる必要があります。
根に被害を受けることにより、「キュウリ、スイカ、メロン、などのウリ科、つるありインゲン」などは、被害が大きいです。
ネコブセンチュウの予防・対処
家庭菜園でもできる手軽にできるネコブセンチュウの予防法を紹介します。
消毒する
消毒は、農薬を使ったものもありますが「太陽熱消毒」が安全で簡単です。畑に十分灌水をおこない、ビニールシートやマルチなどで土壌表面を覆います。気温にもよりますが、2週間~3週間放置します。
ネコブセンチュウは、60℃で死滅するといわれています。他の有用な微生物を残してネコブセンチュウを死滅させることができます。ただし、日差しの強い7月中旬~9月上旬頃に限定されます。
米ぬかの投入
狭い畑であれば、米ぬかの投入がお手軽です。米ぬかを畑に投入すると、自活性センチュウ(土の中の有機物を食べるセンチュウ)の餌が増えて増殖します。
自活性センチュウは、排泄物としてアンモニアを分泌します。ネコブセンチュウは、アンモニアが苦手なのでネコブセンチュウを減少させることができます。
植え付けの1ヶ月以上前に、1㎡当たり400~2000g程の米ぬかを撒いて、良く耕します。アンモニアの濃度も次第に低下するので野菜の植え付けには問題ありません。
米ぬか自体は、リンの成分の多い肥料となります。イチゴ、スイカなどの果菜を植え付けると良く育ちます。
アブラナ科の残渣
アブラナ科の野菜は、グルコシノレートという成分含み、根から分泌します。グルコシノレートはさらにイソチオシアネートにかわり殺菌・殺虫効果を発揮します。
アブラナ科植物とコンパニオンプランツで野菜を栽培したり、アブラナ科野菜の収穫後に、残渣を15㎝くらいに切り刻んで土に鋤きこみます。
参照:コンパニオンプランツ一覧
緑肥植物を植える
野菜に害を与えるセンチュウは、「ネコブセンチュウ」と「ネグサレセンチュウ」があります。
ネコブセンチュウに効果のある緑肥としては以下があげられます。
- クロタラリア
- エビスグサ
- ラッカセイ
- ギニアグラス
- ソルゴー
など
収穫後の休畑地に植え付けておくと良いでしょう。
まとめ
野菜の収穫後は、根をしっかりと観察して畑の状態を把握しておくことが大切です。
同じ野菜ばかり植え付けると、同じ菌が増殖するのでコンパニオンプランツや緑肥植物を植え付けたり、堆肥をしっかりと投入することが大切です。
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