原産地でわかる野菜の性質(水、土質、気温)

野菜の栽培条件を知るのには、原産地を調べるのが有効です。原産地の生育環境が最も適した栽培条件だからです。

市販の種を購入すると原産地が書かれていると思います。今回は、原産地を見ただけで野菜の『水やり、土質、温度管理』ができるようにまとめました。

メキシコ~中央アメリカ

地図の画像

水分

砂漠やサボテンで有名なメキシコです。降雨量が少なく気候です。ここを原産地とする野菜は、乾燥に強い性質があります。

土壌

雨が少なく、有機物が蓄積されません。水はけがよく痩せた土壌の栽培が向いています。

気温

赤道付近の熱帯で、1年中温暖な気候です。暑さに強く、寒さに弱い性質を持ちます。

原産地の野菜

トウモロコシ、サツマイモ、ピーマン、インゲン

西アフリカ

水分

アンデス山脈西側の内陸部は標高が高い砂漠地帯です。雨が少ないので乾燥に強いです。

土壌

雨が少なく、砂漠地帯が多いです。痩せた土壌が痩せています。

気温

赤道に近く一年中温暖な気候です。暑さを好みます。

原産地の野菜

トマト、ジャガイモ、西洋カボチャ、トウガラシ、ラッカセイ、イチゴ

中国(華中近辺)

日本の暖地に近い気候です。

水分

5~6月は降雨量の多いモンスーン気候で雨が多いです。日本の梅雨のようなイメージです。

土壌

雨が多く、有機物が蓄積され肥えた土壌になります。

気温

温帯性気候で、日本に近い気候です。春・秋は、過ごしやすい気温。夏は、40度近くなることもあります。

原産地の野菜

ダイズ、ネギ、ゴボウ、ハス、ヤマノイモ

インド~マレー半島

水分

熱帯性気候です。雨季と乾季に分かれます。6月~10月は、雨季といわれ雨が多く水分を好む野菜が育てられます。

特にインド東部は雨が多くナスの原産地です。キュウリは、ヒマヤラ山脈の程よい水分のある涼しい地域が原産です。

土壌

温かく降雨量の多い地域は、有機物が積み重なり肥沃な土壌が出来上がります。

気温

インド~マレー半島は、年中温かい気候です。

原産地の野菜

キュウリ、ナス、ナタマメ、シカクマメ、サトイモ、ミョウガ、トウガン

中央アジア

中央アジアは、中国よりやや西側の地域です。

水分

中央アジアは降水量が少なく、乾燥した地域が多いです。岩石を含んだ砂漠地帯が広がります。

ただし砂漠の周囲には、ステップ気候と呼ばれる、夏・冬に降水量が増える地域もあります。ステップ気候では、黒土が作られ農牧地帯となります。

土壌

ステップ気候の地帯では、黒土で土壌が肥えています。水持ちがよく超えた土壌が作られます。

気温

赤道から離れて、冷涼な気候を好みます。冬越しさせることができます。

原産地の野菜

ダイコン、タマネギ、ニンジン、ホウレンソウ、ソラマメ、カラシナ

近東(サウジアラビア周囲)

水分

雨が少ない

土壌

水はけのよい痩せた土壌

気温

紅海沿岸は、亜熱帯性気候で、夏は高温多湿、冬は温暖。内陸部は、乾燥した砂漠のような気候で、日中と夜間の気温差が大きい。

原産地の野菜

メロン、レタス

地中海沿岸

水分

夏の雨が少なく乾燥に強い野菜が栽培されます。

土壌

比較的痩せた土壌です。

気温

赤道から離れてた温帯気候。

夏は、熱く乾燥している。冬は寒く、降水量が多い。

原産地の野菜

キャベツ類、エンドウ、セロリ、パセリ、アスパラガス、レタス

エチオピア高原地帯(アフリカ大陸北)

水分

スイカは、アフリカ内陸部の降雨量が少ない地域を原産地とし、乾燥に強い性質を持ちます。

土壌

第三紀に噴出した溶岩で構成されている。西部と南部は土地が肥沃です。

気温

高山気候で、気温の年変化が少なくい。赤道から近く年間を通して温暖な気候です。

原産地の野菜

ササゲ、オクラ、スイカ

まとめ

日本は縦に長くきせつがあるので、地域・季節により気温差が大きいです。土壌も地域により異なるので、そこに適した野菜を栽培すると良く育ちます。

野菜の種を購入するときは、原産地の表示をよく見て購入すると良いでしょう。