連作障害について

連作障害とは

同じ科の野菜を、同じ土地で毎年育てていると、収穫量が減少したり、病気になりやすくなります。

これを連作障害と言います。

連作障害の原因

病害虫の増加

土壌の病原菌やセンチュウなどの土壌害虫によるものです。連作障害の8割の原因と言われています。

植物は、根から有機酸やアミノ酸を分泌します。これらの物質を目当てに様々な微生物が集まります。同じ作物を連作すると、同じ物質ばかり根から供給されるので、それを好む同じ微生物ばかり増えます。

増殖する微生物の中には、植物の生育に有害な微生物もいます。センチュウ、根こぶ病菌、フザリウム菌などの増加が、連作障害の原因となります。

土壌の理化学性の悪化

土が科学的・物理的に悪くなることです。特に、野菜の生育に必要な『微量元素』が不足することが連作障害の原因となることが多いです。

一般的な、化成肥料は『リン、窒素、カリウム』のみが含まれています。これらは、植物の生育で最もたくさん必要な栄養素です。

それ以外にも、『マグネシウム、カルシウム、イオウ、鉄、モリブデン、亜鉛、マンガン、ホウ素、胴、塩素、ケイ素』が必要です。

これらの、どれか一つの物質が不足すると生育に障害が出ます。しっかりと堆肥・有機物を投入して土づくりすることが大切です。

 

植物由来の毒素

植物によっては、根から『アレロパシー物質』というものを放出するものがあります。これは、他の植物の成長を抑制するための物質です。その土地を自分たちだけで独占しようという働きです。アレロパシー物質としては、クマリン類、フェノール類、アルカロイド、テルペノイドなどの化学物質が確認されています。

 

連作障害が出やすい野菜

  • ナス科・・・ナス、トマト、ピーマン、ジャガイモ
  • ウリ科・・・キュウリ、ゴーヤ、スイカ、メロン
  • マメ科・・・枝豆、インゲン、落花生、エンドウ、そら豆
  • その他・・・オクラ、ゴボウ、サトイモ、モロヘイヤ

連作障害の対策

輪作

最も確実に連作障害を防ぐことができる方法です。

畑を4つ程度の区間に別けます。

輪作の区間について説明画像

連作障害の出やすい野菜を4区間のどこかに割り当てて、毎年順番にずらしていく方法です。

輪作の説明画像

接ぎ木苗

接ぎ木苗とは、土台部分に病気や連作障害に強い別の野菜をつなぎ合わせた苗です。例えば、スイカの場合ではカボチャやユウガオを土台として接ぎ木します。

接ぎ木苗ですと多くの連作障害の原因を排除することができます。

土壌消毒

本格的な農家などは、土壌消毒を行い連作障害を防いでいる場合が多いです。家庭菜園の場合でも、太陽熱による土壌消毒などであれば比較的簡単にすることができます。

コンパニオンプランツ

コンパニオンプランツとは、異なる科の野菜を一緒に育てることで、双方もしくは片方にメリットができる方法です。組み合わせによって、病害虫予防、成長の促進など複数のメリットがあります。

堆肥

堆肥、緑肥を畑にすき込むことにより、様々な微生物が増えるので連作障害が出にくくなります。