トマトやスイカを室内や温室栽培をしていると徒長しやすいです。
徒長した苗は、生育が悪く美味しい実を収穫することができません。そこで今回は、徒長した苗を胚軸切断接ぎ木法により、がっしりとした苗に再生する方法を紹介します。
胚軸切断接ぎ木法とは
胚軸切断接ぎ木法とは、小苗の茎を切断して、挿し木する方法です。切断した、茎に微生物を取り込ませることにより病気に強い苗が作れます。
今回はそれを応用として、徒長してヒヨロリと伸びた茎を短くカットして、がっちりとした苗に生まれかわらせます。

徒長したメロンの苗
成功率は、野菜の種類によります。もともと、挿し木が簡単な野菜は成功率が高いです。
私の場合は、トマトでは、ほぼ100%、メロン90%、スイカ50%くらいの成功率です。
スイカの胚軸切断接ぎ木法の手順
切断を行う時期
胚軸切断接ぎ木法において、苗を切断するタイミングは野菜の種類によって違います。
ウリ科では、1枚目の本葉が生え始めた直後です。(一枚目の本葉が小さいうち)
- ウリ科・・本葉0.5枚
- ナス科・・本葉2枚
- マメ科・・本葉1.5枚
- アブラナ科・・本葉1.5~3枚
ひょろりと伸びた茎を適当にカットします。カットするときは、水平ではなく斜めに切ると切り口の面積が広くなるので水を吸い上げやすくなります。

茎をカットする

カットされた苗
カットした苗を、水を貯めた容器に入れて水を吸わせます。本来の胚軸切断接ぎ木法では、この時に水の中に微生物を投入して苗の中微生物を取り込ませるようです。(今回はただの水道水です。)

水を吸わせる
2時間くらい付けたら、ポットに挿し木します。
ポットには、種蒔き用の培養土に畑の土を30%くらい混ぜたものを使います。市販の種まき用の培養土は無菌なので、畑の土を混ぜて微生物を取り込ませるためです。

事前に、ポットに水を十分吸わせておきます。
そして、1㎝くらい茎が埋まるように挿し木します。

挿し木する
挿し木した、2~3日後は萎れることがあります。根が無くなるので水を吸い上げる力が弱くなるためです。
萎れて枯れないように、直射日光が当たらない涼しい場所に置きます。そして、毎朝たっぷり水やりをします。
2~3週間くらいすると、本葉が成長してきます。苗の成長が始まったということは、根が生えてきた証拠です。

苗の成長が再開する
根が出てきたら、徐々に日当たりの良い場所に移動させて管理しましょう。その後の育苗方法は、普段通りでオッケーです。
まとめ
胚軸切断することにより、カットしてから2~3週間は生育が止まる為、成長が遅れますがその後は、苗が元気になるので成長が追いつくといわれています。
徒長した苗を、再生するにはとても有効な方法なので徒長した時はぜひトライしてみてください。
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